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DOMANI CON TE  #4

 リヴァイはそのまま部屋の奥にあるベッドに向かうと、そっと降ろしてやった。華奢な肩が小さく上下するのを見ながら、覆い被さるように身体を屈める。
 刹那、稲光が走る。一瞬の光のなか、彼女の白い喉笛が晒されていた。それに誘われるように首筋に唇を寄せると、彼女は小さく吐息を漏らす。
「どうしてここに来た」
 わざと低く囁くと彼女はビクリと肩を震わせた。潤んだ瞳と視線が交わる。ランプの光を受けて煌めくそれは、まるで宝石のようだ。リヴァイはゆっくりと彼女の顎を掴むと、そっと自分の方に向かせた。互いの呼吸が肌にかかるほど近い距離。そのまま見つめ合う。彼女はリヴァイから目を逸らすことができなかった。
「……っ、私、」
 何かを言いかけたところで、再び雷鳴が轟き、辺りが白く染まる。
「壁外遠征が決まってから、兵長と話す時間が少ないので、それで……」
 言葉尻が消え入るような声で、彼女は言う。その様子に、リヴァイは笑みを浮かべた。それが意地の悪いものだということに彼女自身は気付いていない。目の前の獲物を逃すまいとする獣のような瞳をしていることも。
「明日は調整日ですし、機会は今夜しかないと思って。でもミケ分隊長と出かけられていましたし、諦めようかと思っていたんですけど」
 そこまで言うと、恥ずかしくなったのか彼女は両手で顔を覆った。指の間からは真っ赤になった頬が見える。
「こんな夜更けに男と女が二人きりでいて、お喋りだけで済むと思ってんのか?」
 リヴァイは顔を隠そうとする彼女の手首を掴んだ。ゆっくりとその手をどかす。彼女は怯えたような表情をしていた。しかし、その瞳の奥には期待する色も見え隠れしている。その変化を目の当たりにして、リヴァイは己の口角が上がるのを感じた。雨音と遠くに聞こえる雷鳴を聞きながら、彼女の口元に顔を寄せていく。
「……いいんだな?」
 リヴァイの問いに答える代わりに、彼女の瞳が閉じられた。それを合図にするようにリヴァイは口づけを落とす。最初は軽く触れ合わせるだけだったものが、だんだんと深くなっていく。熱を持った柔い肉を吸い上げてやれば、小さな喘ぎ声が漏れた。ぎゅっとシャツを握り締める手に力がこもる。
「兵長……」
 掠れた声が耳元をくすぐる。それだけで背筋にぞくりとしたものが走った。もっとその先を求めようと、リヴァイは首筋に舌を這わせる。耳の裏に鼻を寄せるとその香りが肺を満たしていった。その甘さに眩みそうだ。このまま溺れてしまいたいと思うほどに。
 ふいに彼女の腕が伸びてきて、リヴァイの首に絡みついた。もっと、とねだるような仕草に引き寄せられて顔を近づけると唇が触れる。そのまま彼女の吐息ごと飲み込むようにして深く口付けた。舌を絡めると、彼女が応えるように動く。ざらつく表面同士が擦れ合い、その刺激に頭の芯が痺れるような感覚に陥った。
「ん……っ、はぁ……」
 苦しげに漏れる甘い声がリヴァイの情欲を刺激する。その声すらも自分のものにしてしまいたくて、リヴァイは更に口付けを深めた。上顎までなぞると、彼女はくぐもった声を上げてリヴァイにしがみついてくる。互いの唾液が混ざり合う音が耳に響いた。
「ふぅ、あ……へいちょ……」
 蕩けたような瞳に、リヴァイの思考は麻痺していく。理性がどんどん削がれていくのを感じながらも止められなかった。彼女が求めるままに、角度を変えて何度も唇を合わせる。時折、漏れ出る吐息がどちらのものなのかわからないほど、二人は夢中で貪った。
 どれほどそうしていただろうか。ようやく解放されたときには彼女の瞳はとろんと潤んでいた。浅い呼吸を繰り返す唇の端から零れた唾液を拭ってやる。その感触にさえ感じているのか、ぴくりと身体が小さく跳ねた。
 リヴァイは片手を滑らせる。彼女の身体を包んでいる薄い寝間着を捲ると、リヴァイの手は滑らかな肌に触れた。びくりと彼女が震える。そのまま手を進めていくと、下着越しに胸を撫でた。
「んっ」
 指先に力を込めると柔らかい膨らみが形を変えた。布一枚隔てても分かるその柔らかさと、その奥にある鼓動に心が満たされていく。
「……っ」
 羞恥からか、彼女はぎゅっと目を閉じたまま耐えていた。その姿に嗜虐心を煽られたリヴァイは、手を離すと裾から中に滑り込ませる。直接肌に触れると、彼女の体温が上がったのが分かった。
「あ、……」
 消え入りそうな声を上げながら、彼女は身を捩る。リヴァイは反応を楽しむように、掌全体で彼女の胸を包み込んだ。服の中に閉じ込められていたそれは、しっとりと汗ばみ、リヴァイの手に馴染んでいく。愛撫を受けて、彼女の胸の先端は固くなり始めていた。
 親指の腹で転がすように弄ぶと、彼女は喉を仰け反らせて喘いだ。その声にリヴァイの興奮が高まっていく。
「もう硬くなってるな」
 そう囁きながら指先で摘まむと、彼女は声にならない声を上げた。服を捲られあらわになる白い肌。リヴァイは満足げにそれを眺めると、片方の先端に唇を寄せ、そのまま口に含んだ。
「あ!」
 突然与えられた刺激に、彼女は身体を仰け反らせた。熱い口腔内が敏感な部分を包み込む。ざらついた舌の表面が触れるたび、ぞくりと寒気にも似た快楽が押し寄せてきた。
「あっ、あ……」
 シーツを握りしめ、彼女は甘い声を上げることしかできないでいる。そんな彼女の反応を楽しむかのように、彼はゆっくりと焦らすように舐った。それからちゅっと音を立てて吸うと、今度は反対の胸を口に含む。
 左右交互に繰り返される愛撫に、彼女は無意識のうちに太腿を擦り合わせていた。リヴァイはそれに気づいているのかいないのか、ひたすら彼女の双丘を攻め立てる。いつの間にか両方の先端は痛いほどに赤く腫れ上がっていた。リヴァイは名残惜しそうに一度強く乳首を吸い上げると、そのまま顔を上げる。彼女は顔を真っ赤にして、とろんとした瞳で彼を見つめ返した。
 リヴァイは口角を上げると、彼女の下着を脱がせた。恥ずかしがって足を閉じようとするが、彼の手がそれを許さない。ゆっくりと割り開かれていく両足。
「いや、見ないでください……」
 弱々しく抵抗するも、その声は情欲を掻き立てているだけに過ぎない。
「そのお願いは聞けねえな」
 リヴァイは小さく笑みを浮かべながら、露わになった秘所を見下ろした。そしてそこに顔を埋めると、花弁の奥に隠された突起に舌を伸ばす。
「あっ!」
 生温かい感触に、彼女は身体を大きく震わせて甲高い悲鳴を上げた。同時にぴちゃぴちゃという水音が聞こえてくる。それは間違いなく自分のものから発せられているのだ。彼女は両手で顔を覆った。羞恥に震える彼女とは対照的に、リヴァイの行為は激しさを増していく。
「ふぁ、あ……へいちょ……んっ」
 表面が擦れるたびに腰が浮くような感覚に襲われる。時折、ちろちろと舌先が敏感な部分に触れて、その度に背中に電流が流れた。あまりの気持ちよさに意識が飛びそうになる。
 リヴァイは溢れ出てくる蜜を一滴も逃さないとばかりに丁寧に掬っていった。それが余計に刺激となって彼女を追い詰めていく。
「あ、だめ……へいちょ……ふぅ……あ……」
 彼女の言葉など耳に入っていないのか、リヴァイは彼女の反応を愉しみながら行為を続ける。
「リヴァイ兵長、あの……」
「なんだ」
 言い淀む彼女に、リヴァイは先を促すように尋ねる。
「私も、兵長に……気持ちよくなってもらいたいです」
 潤んだ瞳でじっと見つめられ、リヴァイは一瞬動きを止めたが、すぐに彼女の上に覆い被さった。
「十分だ。お前が感じてるところを見ているだけでイキそうになる」
 耳元で囁かれる言葉に、彼女は顔を赤くした。リヴァイの言葉が本当かどうかは分からないが、彼女がそう言われるのが弱いことは確かだった。耳元にかかる吐息すら快感に変わる。
 再び唇を重ね、二人は互いの衣服を取り払った。ランプに照らされた裸体が妖しく揺れ、白い陶器のような滑らかな肌はますます透き通って見える。触れたら消えてしまいそうなくらい、危うげな美しさがあった。やがてリヴァイの手が、彼女の左足を抱える。膝の裏からふくらはぎを通り踵まで続く痛々しい傷痕。その痕に沿って、彼はゆっくりと舌を這わせた。
「あ……」
 触れられたところがじんわりと温かくなっていく。まるで血液の流れを逆行しているような感覚だ。傷跡を慈しむように何度もキスをした。そして、徐々に上へと昇っていく。脚の付け根まで到達すると、指で膣口をなぞり中へ押し入ろうと動かした。
「んっ」
 彼女の口から甘い声が上がる。入口を撫でるだけでそこは誘うようにひくついていた。リヴァイは中指を入れると、中の具合を確かめる。柔らかく溶けた内部は熱くうねっていた。
「凄いな……お前の中、俺の指に絡みついてくる」
「や、やめっ」
 リヴァイの言葉に彼女は羞恥からか、かぶりを振る。その様子に嗜虐心を煽られたリヴァイは、ぐっと奥まで入れた。
「ああっ」
 びくんと彼女の体が跳ねる。それに構わず、彼はゆっくりと抜き挿しを繰り返した。浅いところで出し入れされる度、ぬるりとした液体が零れ落ちていく。
「いやらしいな。こんなに濡らしてるなんて」
「言わないでください……」
 泣きそうな声で訴える彼女に、リヴァイは耳元で囁いた。
「これだけじゃ物足りねえだろ?」
 彼の言葉に彼女は首を横に振る。しかし、身体は正直に反応していた。彼が少し動くだけでも、もっと強い刺激が欲しいと疼いている。無意識のうちに腰を動かしていた。
 その姿を見て、リヴァイは満足そうに口角を上げる。ゆっくりと引き抜くと、今度は人差し指と中指を揃えて挿入した。二本の指をばらばらに動かす。膣壁を押し広げ、時折感じるポイントに触れると、彼女の体は大袈裟なほど跳ねた。
「ああ、そこ……やぁ……」
 嫌だと口にしながらも、彼女の身体はもっともっとと快楽を求めていた。その証拠に、愛液は後から後から溢れてきて止まらない。
「あ、ああっ」
 彼女の身体が大きく仰け反った。リヴァイはそのタイミングを見計らい、親指で陰核を擦る。同時に二か所を攻められ、彼女は大きく身体をしならせた。
「もうイったのか? まだこれからだぞ」
 そう言うリヴァイ自身も限界に近かった。早く彼女と一つになりたいと下半身が訴えている。それを押さえつけながら、リヴァイは彼女の胸に触れた。そして乳首を口に含むと、飴玉のように転がす。その度に彼女の喘ぎ声は大きくなった。もう片方の手で秘所を刺激する。
「あぁ……へいちょ、あ……んっ……リヴァイ兵長……」
 切なげに名前を呼ばれ、顔を上げた。涙を浮かべた瞳がリヴァイの姿を映している。
「どうした」
「も……お願いです……早く……」
 リヴァイは息を呑んだ。
 これ以上は自分も我慢できそうにない。リヴァイは秘部から指を引き抜き、痛いほど勃ち上がっている自身に愛液を塗りつける。そして、彼女の両腿を抱え上げると、自身の先端を蜜口に押し当てた。
「挿れるぞ」
 リヴァイの言葉に、期待に目を潤ませながらこくりと肯いた。
 ゆっくり腰を進めると、陰茎はずぶずぶと沈み込んでいく。
「ああっ……!」
「……ッ」
 熱い楔が打ち込まれていく快感に、彼女は声を上げた。リヴァイもまた、自身を包み込む肉壁の感触に息を詰める。気を抜けば一気に果ててしまいそうだ。根元まで飲み込まれ、膣内はぴったりと彼に吸い付いている。その感触にリヴァイは眩みそうになった。しばらくの間、繋がった状態で抱き合っていた。唇を重ね合わせ、互いに舌を絡め合う。その間も、リヴァイのそれは脈打ち続けていた。
 気がつけば雨は止んでいた。雲の切れ間から月明かりが射し込み、二人の姿を照らし出す。汗で額に張り付く前髪が邪魔になり、リヴァイが手を伸ばすと彼女は肩に頭を預けた。そして甘えるように頬をすり寄せる。その仕草に堪らない気持ちになった。
 やがてリヴァイが身体を起こすと、ゆっくりとした動きで中をかき混ぜるように抽送を繰り返す。その緩やかな刺激に、彼女は甘い吐息を漏らした。少し腰を引くと、絡みついていた媚肉が名残惜しそうに離れて行く。そして再び中へと押し入った。何度も繰り返されるうちに、徐々にスピードを上げていく。肌のぶつかりあう音が響いていた。
「あ、ああっ……ん……ふぅ……あんっ」
 彼女の口からひっきりなしに甘い声が上がる。結合部からは水音が立ち、リヴァイの律動に合わせて揺れる彼女の胸は、ひどく淫靡だった。
「はぁ……あ、あ……リヴァイ兵長……」
 うわ言のようにリヴァイの名を呼ぶ彼女に答えるように、激しく突き上げた。子宮口を突かれる度、びりびりとした衝撃が走り、彼女は全身で悦楽を感じていた。リヴァイも彼女の中で更に熱を帯びていく。
 彼女はシーツを握り締め、襲ってくる快感の波に身を委ねていた。リヴァイの額には玉のような汗が浮かんでいる。普段あまり表情を変えない彼がこんなにも切羽詰まった顔をしているのを見るのは初めてだった。自分を求めてくれているのだと思うと、嬉しくて自然と笑みが零れた。
「なに……笑ってやがる」
「嬉しいんです。兵長が、いま私のことだけ考えてるって思えて……」
「馬鹿が。俺はずっとお前のことしか考えていない」
「んっ……私もです」
 リヴァイの言葉に、彼女は幸せそうに微笑む。再び彼女に覆い被さると、唇を重ねた。互いの唾液を交換し、混ざり合ったそれを嚥下する。
 リヴァイは角度を変えて貪るようなキスをしながら、さらに強く奥まで穿った。リヴァイの動きが激しくなる。膣内を行き来する質量が増した。絶頂の近いことを悟り彼女もまた膣壁をきゅうっと収縮させる。
 上体を起こし細い腰を掴むと、彼女の最奥を目掛けてリヴァイは己を突き立てた。
「ああ……! 」
 強い刺激に彼女は背を仰け反らせた。リヴァイはその反応を楽しむかのように腰を打ちつける。
 一際強く突き上げると、彼女の身体が大きく跳ね上がった。膣内が激しく収縮し、陰茎をきつく包み込む。彼はぐっと歯を食い縛ると、その奥で欲望を放った。
「くっ……」
 熱い飛沫が体内に注ぎ込まれていく感覚に、彼女は身を震わせた。そして、リヴァイは全てを吐き出すと、ゆっくりと引き抜いた。
「ん……」
 彼女の鼻にかかった声を聞きながら、隣に横になる。そのまま抱き寄せた。素直に彼の腕の中に収まる彼女の背中を優しく撫でる。
「大丈夫か?」
 彼女はこくりと肯いた。まだ身体の中に熱が残っているような気がする。リヴァイは、額に張り付いた髪を掻き上げ、そこに軽く唇を落とした。そして、そのまま頬に、鼻先に、最後に唇へと辿り着く。触れるだけの優しいキス。彼女はそれを受け止めるように目を閉じた。ふわふわとした微睡みの中を漂っていると、リヴァイの声が聞こえてきた。優しく、それでいてどこか甘い響きを含んだ声音に心が安らぐ。愛してる。夢現の中、彼女にはそう聞こえた気がしたが、聞き返す前に意識を手放した。


    

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